滞在期間 2006/2/6〜2006/2/9

川口 清春

 
●はじめに
 先日、中国の上海を視察して参りました。気温は東京と差ほど変わりはありませんが、天候はとても良く比較的心地よい気候に恵まれました。上海に滞在した4日間で私が見て、聞いて、感じたことを以下に記します。まだまだ若輩者が故、文中に至らない箇所等があるかも知れませんが、どうぞご容赦いただきご一読いただけますと幸いです。
 
 
●上海について
 読者様の中には良くご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、上海は中国四大直轄市(北京・上海・重慶・天津)の1つで中央政府が直接管理しております。また、近年急成長を遂げている中国経済の中心都市でもあります。上海は中国の中でも裕福層に属する人々が大変多く、購買力は中国トップと言っても過言ではないくらいの大都市です。また、ファッションなどの文化も最先端を走っており、若者の情報発信源にもなっているそうです。
 
 
●交通
 街中を走っている自動車は、当然ながら古い型式の自動車もたくさん走っておりますが、3年前に訪れたときに比べ、比較的新しい自動車も増えたような気がします。走っている車は殆どが外国車でヨーロッパ、日本車を多く見ました。しかし、自動車を購入するには大変お金が掛かるそうで、裕福層にしか買えないのが実情だそうです。(ちなみにタクシーはVW車が殆どでした。)

自動車一台の値段  100,000元以上(日本円で約1,200,000円以上)
上海在住の方の平均月収 2,000元〜3,000元(日本円で約24,000〜36,000円)

 移動はタクシーを利用し、高速道路を頻繁に利用していたのですが、日本の高速道路とは違い高速料金の支払いが無いことに驚きました。

 また、タクシーに乗車して感じたのは日本でよくみられるような「譲り合い」というものが殆ど皆無に等しく、車同士が衝突しそうになる場面を多く見ました。当然ながら私が乗車しているタクシーでも数回ほどありました。乗車するたびに終始緊張状態で、現地の方々の安全運転!?には、帰国するまで慣れることが出来ませんでした。実際に、事故も時々あるそうですが、現地の方々はその交通事情に慣れており、日本人が“危ない”と思うような時でも、余り気にせずに運転をしているのかなと感じました。もしかしたら、衝突寸前のところで抜群の反射神経の良さ?を発揮して自然に「譲り合い」をしているのかも知れませんね。

 これは余談ですが、初日に乗車したタクシーがとてもスピードを出す運転手さんで、スピードは約130Kmぐらいだったのですが、日本で乗車しているときと違いスピード感を凄く感じます。(窓を締め切っていても隙間風が入ってきます。)車線変更のときも殆どウインカーを出さずに走っており、一緒に同乗していた弊社代表と「あっ!危ない!」などと言いながら終始緊張していたのを良く覚えています。タクシーによってはとてもスピードを出す運転手さんもいらっしゃるようです。(結果、通常1時間掛かる道のりを30分強で到着してしまいました。)

 中国にも当然ながら信号機は設置されていますが、交差点では真っ直ぐ走る車と右折、左折を行なう車で大変混雑しており、クラクションの音が響き渡っております。日本で生活している私の目から見ますと、いつ事故が起きてもおかしくないような光景です。もちろん、テレビなどでよく映っているように自転車も自動車と一緒に車道を走っております。

 
 
●建物事情
 
 

 近年多くのマンション、オフィスビルが建造され急速な発展を遂げており、今なお多くの建造中の建物を見ることができます。建造物の殆どが高層ビルで、オフィスビルはもちろんのこと高層マンションの建造も多数見受けられました。高層マンションについては、税金の軽減や投資家の減少等もあり、販売額は数年前に比べ少しずつ下がってきているようですが、まだまだ庶民の方々にとっては、とても高価なもので裕福層でないと購入できないのが実情だそうです。

上海の分譲マンション平均価格1uあたり約8,000元(日本円で約96,000円) ⇒ 中国国内トップ

【例えば】
100uの価格  約800,000元(日本円で約9,600,000円)

上海在住の方の平均月収2,000元〜3,000元(日本円で約24,000〜36,000円)

 これは現地訪問先で伺った話ですが、結婚するときにマンションを購入することが一般的にあるようで、その支払いをするのはご両親が多いそうです。現地スタッフが「こっちの親は大変です。。。」とこぼしておりました。

 
 
●食事
 食事に関して、まず初めに言えることはご飯がパサパサです・・・。水の違いや栽培方法、気候など、原因は様々かと思いますが、日本のご飯のように「ふっくら」とした美味しいご飯を食べることが出来ないのは、残念で仕方ありません。ご飯はやはり日本が一番と改めて感じました。中華料理については、抵抗無くいただくことが出来ました。日本人の方々からは、現地での中華料理について賛否両論ですが、是非一度上海の中華料理を食べてみてください。私個人の意見としては、美味しかったと思っております。

また、日本食のお店もあり、しゃぶしゃぶのお店に行って参りましたが、そこに入るなり「いらっしゃいませ!」と日本語が響き渡ったこと、そしてお店を見渡すと日本人らしき人々が多く「ここは日本?」と錯覚するほど驚きました。現在、上海に住んでいる日本人は3万人以上と言われておりますので、日本料理店に日本人が多数いることは、不思議ではないと暫くしてから感じました。

日本のしゃぶしゃぶと殆ど変わりませんが、昆布だしの効いたスープと少し辛いスープの2種類あり、どちらか好みのスープでお肉と野菜を食べるのが中国では一般的だそうです。味は抜群です!日本人の舌によく合います。しかも、上海の「食べ放題」は日本と違い「無制限」です!

他にも日本食のお店は多数あるとのことですので上海に訪問されたとき、日本食が恋しくなりましたら是非一度お試しください。

 
 

・・・編集 後記・・・

 中国のエレクトロニクス事情は、2008年の北京オリンピックを控えていることもあり、オーディオ製品、PC・モバイル機器などの需要が急速に伸びているようです。2006年に入り益々動きが活発化するのでは!?

 今回、上海を訪れたことで改めて、今世界の中で「急成長」という言葉が一番似合っている都市だと感じました。街のあちこちで見る高層ビル、携帯電話で話しながら街中を歩く人々、少し大げさかも知れませんが、日本の都心部を歩いているような気にもなりました。今回は、足を運ぶことが出来ませんでしたが、上海には観光名所も多数あるそうです。また、訪れる機会があれば「仕事ではなく、観光で訪れてみたい」と思います。

読者様の中で、上海に行かれたことの無い方がいらっしゃいましたら、是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。「お薦め」です。

最後になりますが上海でお世話になりました現地スタッフの方々にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。


 
 
 
1/29〜2/5まで中国では旧正月(春節)に入っていたため、デパートなどの正面入り口は
綺麗な飾り付けがされており、その名残がありました。


2006年2月17日掲載