アルターシステム株式会社
松永 慎一郎

 今回の中国視察は、5日間の予定で大連・済南・上海を
訪問してきました。特にエレクトロ二クス製品に関する中国展開
の状況を中心にレポートいたします。

初日は、成田より大連に移動し、大連の中心である大連駅
周辺の活気に驚きました。人口約600万人という大連は、
満州鉄道の拠点ということから、日本語を話せる現地人も多く、
街も整備されてとてもきれいなところでした。

巨大な地下マーケットでは、煩雑に店舗が入り乱れており、
中でも携帯電話のフロアは活気がありました。携帯電話の
需要が多いことは2〜3年ほど前から知っていましたが、中古
の携帯電話の店舗が多いことに驚きました。

日本との違いは、通話料金が安く、電話機自体が高いことです。
また、中国では小型の携帯電話が好まれているように思いました。

大連は日系企業も多く、賃金面では、上海・北京に比べて少々
安いようです。大卒平均で2500〜3000元(37,500〜45,000円)と
なります。日系企業の担当者の方からもお話しを伺いましたが、
定着率が非常に低く、「どのようにして技術者を育成するかという
視点」ではなく、「いかに定着させるか」ということでエネルギーを
使っているということでした。

  



 2日目は、大連から飛行機で約1時間の移動をして済南に
入りました。済南は人口約600万人の山連省では大きな都市です。
上海・北京・大連との違いは、ほとんど英語・日本語が通じないこと
です。また、街並もかなり違っています。治安面も悪く、タクシーも
気をつけなくてはなりませんでした(ちなみに中国全土のタクシーは、
平気で2倍くらいの料金を請求してくるそうです)。

  巨大な、エレクトロニクス製品の量販店に行きました。
デジカメ・プラズマTVなどのエレクトロニクス製品以外の、ほとんどの
製品が日本と同様に販売されていました。いわゆるシロモノ家電は、
日本よりもかなり安いと思いましたが、それ以外はあまり変わらない
という印象でした。
中でもDVDプレイヤーのコーナーは活気があり、日本よりも需要が
あるのではと思ったほどです。
それに伴いソフトもDVD・VCDも品揃えが抱負です。
済南では日系企業が非常に少なく、大手セットメーカのTV工場が
有名です(特にVCDのソフトが多い)。

 賃金面では、大連に比べてもかなり安く、大卒平均で1300〜1700元(19,500〜25,500円)となります。
工場勤務の女性は、400〜600元(6,000〜9,500円)。
また、とにかく食べ物は安く、現地スタッフは1食1元(15円)ほどで充分な環境なのです。



75円のお弁当
3日目:治安面でびっくりしたのが、事務所の前の別会社の
扉が割られていました。




▼済南には2日間の滞在予定でしたが、寒波の影響で霧が発生し、予定通り上海に移動することができませんでした。



 6日目、やっとのことで済南から上海まで移動を行い、翻訳関連の打合せを行なってから帰国しました。
今回の中国視察で感じたことは、沿岸地域((経済開発区)と内陸部との環境面・経済面の格差を痛感
することができました。

また、ネットワーク面がかなり充実してきているので、欧州・米国・日系関連の中国進出は増えていくものと思われます。

台湾から中国進出企業も多い中、中国沿岸地域より内陸部へ工場を移転する企業も数多くあります。
しかし、沿岸地域においては、賃金も上昇傾向にあるため、単にLow Cost工数を求めて進出する形態だけでは、
近々限界となるような気がしました。