視察時期:2003年10月27日より
アルターシステム株式会社
松永 慎一郎
 
 去る2003年10月27日より、中国の上海・蘇州へ、『基板製造メーカー様』『実装メーカー様』を視察して
参りました。「SARS」の影響もあったため、で半年ぶりの訪中となりましたが、まず感じたのは、車の交通
量が大幅に増えたことに驚きました。“中国の顔”でもある上海ですが、経済成長は凄まじいものがあります。
基板製造メーカー様も数社見学させていただきました。
 
  @ 日本に比べて社員数が多い。1社当り1000〜3000名平均。
A 生産能力が極めて高い。
B【UL】【ISO9002】【ISO14001】などの認定は、常識的な感覚。
C MRI検査を全件、実施している。
D 各設備は、日本製のものが多く、ハイテク技術を採用している。
E 片面〜ビルドアップ、フレキ基板の量産が可能。
F 基板サイズの概念が無い。(ロールよりカットして利用)

    

 特に、モバイル・携帯電話の製造が目立っていましたが、北米、ヨーロッパからの受注も多いということです。
日系セットメーカー様の製造も行なっているようでしたが、まだまだ利用している社数は少ないようです。
あくまでも私の所感ですが、特に「品質面」での認定がネックだと考えられますが、民生系、産業系のPCBでは、
かなりの高品質をクリアしていますので、認定というハードルも、そう高くはないだろうと思いました。
また、片面・両面中心と、高多層・HDI対応という“HIGH SPEC”に2極化している受注形態です。

 更に驚いたのは、「原材料」そのものを開発して、「ハロゲンフリー」「HIGH TG」「高周波材料」に
対応していくメーカー様もありました。なにかにつけて、広大な土地を有効利用していますので、ラインも
非常に効率的にデザインされていました。


上海では、給与面のUPに関して昨年より落ち着いてきているようです。
しかし、「通訳」「貿易関連」のスキル保持者に関しては、かなり優遇されている状況です。
中国からは、毎年、留学・日系企業入社などで多数の人員が、日本へ来られているのですが、
昨年からは日本から中国へ行かれる数も大幅に増えているということで、10月よりVISAが
廃止となり、ますます交流が盛んになっていくでしょう。

今は、「上海ガニ」のおいしい季節です。
皆様もお時間が許されるようでしたら、一度、訪中されてはいかがでしょうか?



2003年11月14日掲載