視察時期:2004年3月14日より
アルターシステム株式会社
石井 誠
 
 今回は、中国の教育制度についてレポートします。

中国の教育制度は基本的に日本と同様で「6・3・3・4」となっており、本格的に受験が始まるのは
高校受験からで、進学高校と職業高校に分かれています(これも日本と同じです)。 

職業高校は、日本でいう工業高校や商業高校のように、すぐに仕事ができることを目的に学ぶ
高校で、進学高校は大学進学を目的に入る高校になります。中国でも 昨今、学歴が重んじられ、
高校卒業ではなかなか思うような、就職ができないといわれています。

中国の大学は、“上位ランク”“中位ランク”“下位ランク”と、レベルが3つに分かれています。

進学高校からは大学入試となりますが、受験者は入試前に、各ランクから1校づつ選択しておき、
1番目に選択した大学の受験者グループで成績順に評価され合否が決まります。
1番目に希望した大学に入れない場合は、2番目に選択したグループから、ランクの成績順で
評価されるといった制度です。

ある受験生が
“上位 ○○大学”“中位 ◇◇大学”“下位 △△大学”の各ランクから1校づつ選択します。


中国に進出している日本の企業様からお聞きしたところ、上位に位置する大学の学生は、
非常に高いレベルにあり、日本語はもちろん、仕事の内容も"即戦力"と言っていいくらいの人材が
多く、立ち上がりが非常に早いとのことです。

日本語がわかるという学生と話しをしました。来日したことがないということでしたが、非常に流暢な
日本語を話し、日本のことについても、よく知っていたので驚きました。


〔復旦大学 正門〕

 今回は、中国でもトップクラスに位置する「復旦大学」を視察
しました。上海市楊浦区(ヨウブ ク)の北東部にあります。

復旦大学は、1905年設立の国家教育委員会の定める重点大学です。
「復旦」の名前は、中国の書物「尚書・大伝」の中にある
「日月光華、旦復旦兮」(向上にたゆまぬ努力を行うの意味)
に由来します。



    
〔学内風景〕

科学技術・経済・管理・生命科学などの研究機関や各種の研究所があり、さまざまな研究が行われています。
経済学院、人文学院など8つの学院、34の学部、21の研究センター、29の研究所があり、現在約11,000人の
学生が学んでいます。





〔毛沢東 像〕

 正門を入ると、毛沢東氏の像が立っていました(さすが中国!)。
像の周りは、芝生の緑がとても綺麗で、学生達の待ち合わせ場所に
なっています。





   
〔教室〕                            〔図書館〕
 
〔学生活動センター〕                       〔病院〕
  
 校内には「教室」「図書館」はもちろんですが、「学生活動センター(日本でいう生協)」があります。
また、復旦大学には敷地内に「病院」や「映画館」「寮」などもあって、とてもすばらしい環境でした。
 
 
〔映画館〕                          〔学生寮〕

日本では無い制度だと思いますが、入学した学生には寮(部屋)が与えられるようです(上海市内の自宅から
通学できる学生でも、与えられます)。自宅が遠い学生は住居として使い、自宅が近い学生は、授業の合い間の
休憩や、憩いの場的に使用するとのことです。




〔日本研究センター・京都大学 上海研究センター〕

また、復旦大学には日本研究センターがあり、併設して
日本の京都大学の上海研究センターもありました。
当たり前のことかもしれませんが、「こんな、交流もあるんだ」と、
日本と中国の交流を垣間見ることができた場所でした。

上海市の人口は『1,700万人』です。人口増加率が急激に上がり、これからますます、教育問題や
交通問題がクローズアップしていくのではないでしょうか。


2004年3月26日掲載