■ 中国事情

【北京・上海・大連】

 昨年から中国を視察してまいりましたので、ご報告いたします。

 いつもながら、日本人の多さに驚きを感じています。日系企業の中国進出も
佳境な状況で、製造だけの進出ではもはや限界が出てきているセットメーカ様
も多く、企画・開発・設計の部隊も日本から中国へシフトをしていく形態となって
います。
 一番問題になっているのは、「人材確保」の難しさです。優秀な人材ほど
会社への定着率が低く、“製品開発のノウハウ”“教育”を地道に行っても、
あっさりと退職して、即日、同じビルの違う階の別会社に勤務しているという
ありさまです。
 そこで、賃金面で優遇処置を施し、定着率をアップさせようという極めて単純
な方法で対処しているのが現状です。しかし、沿岸部の北京・上海・大連など
の主要経済都市と、いわゆる内陸都市との賃金格差は、年々ひらくばかりです。
 一方では、大学卒の学生の就職率が低下しています。これは、企業サイドの
新人雇用よりも各大学の卒業生の人数がはるかに多いことが原因です。
 大学サイドは大変重要な問題と考えており、4年生主体で、例えば日系企業
への就職を希望している場合、“日本語の実戦教育”“日本的マナー教育”など、
就職してから必要な教育を大学にて実施している状況です。


【最近になって感じている出来事】
@益々、渋滞がひどい。
Aタクシーがとてもきれいになった。
B日本人が増加している。
Cコンビニが増加している。


【若者の関心は・・ ・】
 2月の春節(中国でのお正月)に、ほとんどの若者は、実家に何十時間もかけて
帰省をします。江蘇省、河南省から上海へ仕事を求めて出てきている人が多いの
ですが、春節に帰省したまま上海へ戻ってこないケースも増えているそうです。
 ある食品関連工場も春節を終えた初出勤日は、全従業員の3分の1にあたる
80名ほどしか出社していないという状況だったと聞いています。
 
 現在、若者の間では、「インターネットゲーム」がブレークしており、中国国内の
ゲームサイトを運営している有名大学卒業の34歳の中国人経営者が、億万
長者となっているそうです。まさにチャイニーズドリームといえます。
数十元(200円から300円)の支払いで、ゲームを楽しむ方式で、いわゆる
プリペード式で運営されていますが、サイトアクセスが、半端な数ではありません
(携帯電話などもプリペード式が多いです)。
 「ゲーム」「ファツション」というキーワードのビジネスは、今後も大きく市場を広げて
いくだろうと予想されています。  








 

■ 野球教室 in 上海

 2月26日、上海日本人学校の子供たちに野球教室を実施いたしました。
小学校、中学校合わせて、50〜60名の子供たちが参加しました。

 今回は、元読売ジャイアンツの武田一浩氏をお招きしまして、『野球教室』
を開催いたしました。キャッチボールから始まり、ノック・トスバッティングを行い、
“ボールの握り方”“ボール処理”“バッティングの基本”などを、子供達ひとり
ひとりに指導されていました。



 野球教室の終盤には、武田氏と子供達との懇談会があり、子供達
からはユニークな質問が次から次へと投げかけられていました。武田氏の、
回答に困った表情が周囲をさらに和やかにして、最後は盛大なサイン会
で幕を閉じました。
 
 遠く日本から離れた子供たちは、“環境の違いでの戸惑い”
“言葉の不便さ”“娯楽が少ない”状況で、ストレスを感じていると思われ
ます。そのような中、「野球教室」の開催で、喜んでいる子供たちの笑顔
を見て、ひとときでも楽しい時間をプレゼントできたような気がしております。

 今回の開催にあたりご協力いただきました、京濱電子装置研究開発
(上海)有限公司様、日本人学校の先生、ご父兄の方々に改めて
御礼申し上げます。
 

 

 

 

 

 
    




2005年3月11日掲載