株式会社チップワンストップ 


代表取締役社長 高乗 正行 様

はじめに・・・・・・
お忙しい中、ご協力いただきまして、本当にありがとうございました。
この場をおかりしまして、心より御礼申し上げます。
アルターシステム梶@松 永

文中敬称略


Q まず、株式会社チップワンストップ様の会社概要やコンセプトなどについてお聞かせください。
高乗) 当社は、半導体・電子部品のB2B電子商取引サイトを運営する会社として、4億円強の資本金で
     2001年2月に発足した新会社です。
     当社の運営するB2B電子商取引サイト「チップワンストップ(www.chip1stop.com)」は、緊急・少量の
     部品調達における購買代行型の代理店として、新しい購買ルートを電気機器メーカーや部品商社に
     提供します。これにより、最終製品の生産機会損失の低減や、新製品の市場投入時期の遅延防止、
     また設計開発試作段階における試作用少量部品調達の効率化といったメリットをお客様に提供して
     いくことを目的にしています。

Q なるほど、業界に特化したB2B電子商取引サイトとしては大きな資本金でスタートされていますが、
  チップワンストップ様の出資メンバーは豪華な顔ぶれですね。

高乗) はい、日商岩井グループ3社及び図研、オムロン、加賀電子の計6社の出資を受けて会社を設立しましたが、
     さらに先頃、大手半導体商社の丸文も資本参画しました(2001年4月1日現在、資本金4億4500万円)。
     出資各社が、資金だけでなく得意分野におけるノウハウや人材を出し合い、いい形のシナジー効果が
     生まれています。おそらく、半導体の電子商取引サイトの出資メンバーとしては最高のメンバーが集まったと
     いえるのではないでしょうか。

Q さて、半導体のECサイトというと、最近のネット調達の拡大に伴い、先行して運営を開始しているサイトもいくつか
  ありますが、これら先発組との差別化についてはどのようにお考えですか?
高乗) 確かに、こういった電子商取引サイトの運営会社はいくつも生まれています。しかし、この中で、いわゆる
     リーディングカンパニーというものはいまだ存在せず、我々がこの市場で大きなシェアを勝ち取っていく
     チャンスは十二分にあると認識しています。
     そして、既存のサイトと比べたときの当社の強みは、いわゆる「購買代行」をスピーディーかつスケーラブルに
     実現する仕組みにあります。当社は、ユーザー側で調達しにくい半導体・電子部品を、メーカーや製品
     種類を問わず、国内外のサプライヤーからスピーディーに探し出し、自らそれを買い取る形で、ユーザーの
     要求を満たす購買代行を実行します。このためには資金力が必要となりますが、会社としての評価を高め、
     マイルストーンを達成しながら、外部からの投資家を追加して集めていきたいと考えています。また、部品
     調達のスピードという面でも、単に売り手、買い手を紹介するだけの仲介的なモデルよりもはるかに速いと
     いえます。

Q 大手半導体商社の丸文さんや加賀電子さんが出資・業務提携先パートナーとしてバックにいることも
  特徴的な点ではないでしょうか?
高乗) そうですね。これらの大手半導体商社が持つネットワークを活用できることは、ユーザーに有利な条件での
     購買代行を実現する上で非常に大きな要素です。
     もっとも、出資パートナーに限らず、国内外の様々な有力サプライヤーからの幅広い在庫情報を持つことも、
     ユーザー側に立った購買代行を行っていくためには必須の条件といえます。当社では既に500万点に及ぶ
     半導体・電子部品のデータベースを構築し、様々な在庫情報を日々更新していく体制を整えています。


Q 出資メンバーの1社である図研さんが、チップワンストップさんの立上げに合わせて、電子機器設計技術者向けの
  ポータルサイトを開設しましたね。この両者はどのような関係に位置付けられるのですか?
高乗) この点も、当社のビジネスの大きな特徴といえるポイントです。
     図研の開設したこのポータルサイトは「エレクトレード(www.electrade.ne.jp)」といい、電子機器設計技術者を
     対象に、情報提供サービスを中心とした各種のサービスを行う、無料の会員制Webサイトです。
     チップワンストップとエレクトレードは、相互に連携していくことにより、エレクトロニクス業界における総合ワンストップ
     サイトの実現を目指しています。
     エレクトレードの会員は部品の技術情報を無料で検索・閲覧することができますので、連携するチップワンストップの
     会員は、チップワンストップで部品を調達しながら、その部品の技術情報をエレクトレードを通じて参照することが
     できるわけです。 また、ご承知のように、図研はプリント基板CAD分野で多くのユーザーを抱え、回路設計CAD、
     レイアウト設計CADで50%以上のシェアを持っています。この豊富なユーザーをベースとすれば、設計から試作、
     調達、製造にいたるまでのトータルなソリューションを、この両サイトでワンストップに提供していくことができるように
     なります。


Q 図研さんとの関係という意味では、エレクトレードとの連携にとどまらず、図研さんの従来の製品・サービスとの
  連携も進めていくのでしょうか?
高乗) はい、図研のEDAツールや、これとリンクして調達・製造部門へ情報を橋渡しする技術情報インフラシステム、
     部品情報管理システムなどとチップワンストップがダイナミックに連携することによって、設計〜調達〜製造までの
     一貫したSupply Chainの実現が可能となります。そして、開発・試作段階においても、チップワンストップによる
     効率的な部品調達ソリューションと連携することで、調達を含めた関連プロセスとの統合化・同時進行化により、
     開発・試作のリードタイムを短縮することができます。


Q 製品の部品表を投げ込めば必要な部品を調達してもらえるのですか?
乗) 近い将来、そのようなサービスも提供していくつもりです。


Q 部品調達の前提となる部品の選定の際には、対象となる部品が将来にわたって十分供給されるものなのか
   どうかといった、部品のライフサイクル管理が問題となりますが、購買代行のワンストップサイトを標榜する御社として、
   この点をサポートするようなサービスは考えていらっしゃいますか?
高乗) ご指摘のとおり、選定された部品が供給中止などによって調達不能になってしまえば、製造ラインの停止、
     設計変更、代替品選択のための時間的コストなどを含め、大きな手間とコストが発生します。
     ですから、部品の選定の際には、このリスクを避けるための最適な部品選択を行う必要があり、この意味では、
     部品の選定は極めて戦略的な重要な過程といえます。また、生産段階においても、部品の調達計画策定時に
     将来における部品の製造中止とその代替品による対応策を予測しながら戦略的調達を行うことも重要です。
     ところが、国内では、このような部品の供給状況に関する情報をまとめて効率的に入手できるソースは、
     ほとんどないのが現状です。そこで、この問題に対するソリューションとして、チップワンストップでは、この夏までに、
     サイト上から対象部品の「供給情報」として、供給中止情報、製造可能年限予測、代替品情報を簡単に
     参照できるサービスを開始する予定です。


Q なるほど、チップワンストップさんにくれば、ディスコン(製造中止部品)になる前に情報を得て当該部品を
  必要数量調達することもでき、また供給不安のない部品、代替品を選定して設計を行うこともできるというわけですね。
高乗) そうです。チップワンストップは、部品の購買担当者はもとより、部品の選定自体を行う技術者も含めた、
     設計から製造までの全ての段階において、ワンストップな部品購買代行ソリューションを提供していきます。


Q さて、5月21日から本格的にサービスを開始され、これからが楽しみなところですね。
高乗) まずは、アナログ系部品、MOSマイクロ、汎用ロジック、汎用ディスクリート等、ユーザーからの緊急、少量の
     調達要望が強い部品の調達実績を積み重ねて、購買代行型の代理店として、ユーザーからの信頼を
     勝ち取っていきたいと思います。こうした実績と信頼を基盤として、将来的には大ロットのメモリーやロジック分野にも
     踏み込んでいけると考えています。


Q 当面の売上目標をお聞かせください。
高乗) 3年後までに、2〜3万人の会員を獲得し、100億円以上の売上を目指したいと思います。
     今後、会社の発展ステージに合わせて資金調達も行い、株式公開も視野に入れて、この業界の
     リーディングカンパニーとなることを目指しています。


お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。