これまで4つの事業部門は、ややもすると各々の独立したマーケット、得意先で活動したきらいが
あり、お互いの強みを利用するような活動が、なかなか出来なかった面があると思われます。
昨年から、全社の4つの事業を戦略的に見直そうということになり、中期戦略計画「C2004」
策定のためのタスクチームを昨年度結成し基本構想を作りました。システム事業においては、
営業部長の和田・技術部長の久保寺をはじめ、各協力メンバーを入れて、いろいろな現状分析
を行い、その中から、他の事業の分野についても幅広いサービスをしようということになりました。
たとえば、従来の医療機器メンバーだけで対応が難しい場合は、システム事業のメンバーも協力
するなど、事業の見直しをしております。
このことで、大きな成功も得られました。昨年の夏あたりから、策定した戦略に基づき事業責任者
制度を導入した特化した体制を整えております。
システム事業においては、とくに会社全体がキャッチフレーズにしております"コア技術(熱の
コントロール)"を利用した「熱制御技術・放熱技術」を新たに加え、「ノイズ対応技術」
「基板設計技術」「実装技術」「検査技術」を技術戦略の柱にしております。
マーケット&商品の要求レベルの高度化に対しても、さらに強化していきたいと考えております。
それから、ノイズの関係でもビジネスマーケットを広げたいという気持ちでいます。我々は、目の前の
お客様と直面してお仕事をさせていただきますが、実際は、そのお客様の向こうに、「本当のお客様」
がいるわけです。そこを重要視していかなくてはならないわけですね。エンドユーザー様が、どういう
商品を要求しているかということを頭の中に置きながら、最適なシステム開発と製造をと考えております。
とくに医療機器関係では、従来の透析装置のシステムがどういうものであるのか、どのように使われて
いるのか・・・ということが問われてきますからね。たとえば、以前は、病院では静電気で画面がチラツク
などという現象もある場合がありまして、その現象そのものは、透析機能に影響は無いのですが患者
さんによっては不快に感じる方もいたと思います。今ではかなり改善されました・・・。エンドユーザー様が
実際にどのような環境でどのように人工透析装置を使われていて、且つどのような事に困っているかを
知らずに、いきなり基板設計に入ってはいけないということです。それで、今回の新製品開発に当たっ
ては、設計までの前段階に十分に事前情報を評価・分析しました。これに1ヵ月半ほどかけましたが、
その後は、とっても早い期間で仕事が進みましたね。これは、私自身が一番勉強をさせてもらったと、
あとから実感しました。
システム全体を配慮した基板設計技術、高密度化、高速化対応、シミュレーションをしながら、
さらに重要な原価低減も考えていきたいと思っております。当然、部品実装については専門ですから
環境問題をクリアした鉛フリーなどにも対応する実装技術をと考えています。
さまざまな検査技術についても、費用を意識して、また、高度の品質を確立するという内容で、
これらのことを常に意識して対応するということです。
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