そういったコード統一の中で、インフラという部分ではどのようなオリジナリティを持たれているのですか?

  そうですね、1つは、コードを取る、採番をするという基本的な仕組みがあります。
実は、ここの部分は、機能的には割と簡単なのです。要するに事業部が「何からコードを
とりたい」と言ったら、今までとられたコードをチェックして、重複がなければコードを返すという
仕組みがあれば良いので、我々としては内作のカスタムシステムで運用しています。
単機能としてのコード発番マスターという事です。

ところが実際の業務で考えるとコードだけでは仕事はできないのです。部品コードであれば部品の
属性、例えば抵抗だったら抵抗値やワット数というような技術属性がないと、実際には仕事は
できません。この部分に関しては、きちっとした、どちらかといえばPDMに近いような機能がないと
管理ができないのです。そういった技術属性を全社で共有するしくみを、我々は「全社PDM」と
呼んでおり、ここに関してはWebネイティブなPDMパッケージを決めて、それを実際に立ち上げを
しているところです。


  それも4月から本格的に稼働していくということですか。

はい、そうです。
現状、開発の最終段階にきていますので、予定としては今月末から動かすということで考えています。
少々、性能問題で足踏みをしているところがありまして、近々に解決できると思いますので、そう遠く
ない時期にリリースすることを考えています。


  全社的にいいますと、かなりのライセンスですよね。

ええ、技術情報を使いたいのは、調達屋さんは確認のレベルでは使いますけれども、やはり設計者
なんですよね。例えば以前にもお話したようにCADライセンスは一番わかりやすくて、電気設計を
やっている人は、だいたいCADライセンスを持っている人なわけです。同様に、調達屋さんが何人位、
海外の関係者で何人位と、具体的に集計すると、あまり莫大な数字ではないんです、実際は。


  ええ、そうですよね。

 

社員全体といえば、うちの会社ではグローバルで約6万人の従業員がいますが、具体的に読んでみると、
メチャクチャな数にはなりません。本当に、このデータを使う人は、多くても2千人ぐらいだと思います


  2千人ということですね。

 

はい。
だからそのくらいの規模を考えてシステムの投資もしましたし、今後もその人たちを対象にサービスを
することを考えています。


  わかりました。それが「全社PDM」ということですね。

 

はい。そうです。
コードが採番されたら、そこには技術属性もいっしょに入れて、そのデータは全社共有資産として管理
していきます。そして、事業部側にもPDMがありますから、同じデータをリアルタイムで同期し、システム
間で渡すなどして共有していくことになります。これも今まではコードが違ったので同じ部品に見えません
でしたけれど、今度は同じコードですから、同じ部品はすぐ分かります。それから技術属性が付いて
きますので、部品の転用という問題も簡単に解決できるようになると思っています。今後の課題は、
これらのことをやりながら、やはり部品の標準化が最も大事な課題と認識しています。


  減らしていくという方法ですよね。

 

ええ、それができるのは設計者しかありえないので、今後は部品の標準化の為に「全社PDM」を
使って行っていくということです。


  先程の発番の仕組みについてお聞きします。
電子部品を含めて各事業所で設計を行なったり、海外でも同様にあると思いますけれども、その場合、
だぶって発番というか、同じ部品なのに違う項番で発番されるという防止策というものはあるのでしょうか。

 

はい。
部品は大きく分けると、汎用品とカスタム品があり、カスタム品の場合は、我々もかなりチェックをしましたが、
基本的には重複部品は無いという事が分かっています。


  カスタム部品は重複が無いわけですね。

 

そうです。
そういう面で最低のルールとして、例えば部品の名称と部品が使われている機種、製品の2つ
くらいのファクターを持っていれば、ほとんど重複は防げるということがわかりましたし、実際、当社で
登録されている部品のうちの6割ぐらいはカスタム品なんですよ。ほとんどメカ部品なので、かなり
簡単なロジックを組んで重複を避けているというわけです。

あともう1つは汎用品ですよね。
電子部品ですとか、メカの中でも歯車とか、軸、ネジとか、これらはやはり複雑に絡んできて
しまいます。各部品区分毎に、それぞれに重複を避けるロジックを組み込んでいます。
電子部品などの汎用品は非常に明確ですが、基本的に部品メーカーのつけたの型番とメーカー
名を重複チェックのキーにして利用しています。部品メーカーの付けた型番は、登録商法の制度
から考えても、まず重複することはなく、この2つを重複チェックのキーとして重複なく発番が
できています。



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次回へ続く・・・
第2回独占インタビュ−は、ロゼッタネットの取組み、コード統一後の効果などを掲載いたします。
掲載日は4月26日です。